第1章
構成管理入門  

第2章
Subversionによるバージョン管理入門

第3章
Subversionベストプラクティス

第4章
Maven2によるビルド入門

第5章
Maven2ベストプラクティスリリースの自動化

第6章
リリースの自動化

Appendix
Maven 2はまり道


※WEB+DB PRESS Vol.39掲載の記事を載せています。

第1章 構成管理入門

Authors:AGATA Toshitaka

なぜ今「構成管理」に注目するのか

10年ほど前と比べるとプログラミングや設計、テストに関する技法は普及してきたと思います。
オブジェクト指向やデザインパターン、リファクタリングを用いて保守性の高い設計を目指すのは一般的になってきています。また、JUnitをはじめとするテスティングフレームワークを使い、自動化されたテストにより品質を保証したり、EclipseをはじめとしたIDEを使うことで素早くコードを書き上げることもできるようになりました。また、Ruby on RailsやSeasar2など生産性を高めることができるフレームワークも充実してきています。

そう、プログラミングやテストは昔と比べてずいぶんと楽になってきたのです。

これらを踏まえて、次に開発全体の中で大きく改善できるポイントは「構成管理」、その中でも「バージョン管理」「ビルド」「リリース」など、開発の配管工事的な裏方仕事の部分だと筆者は思います。

たとえば、「アプリケーションの新バージョンリリースを行う」ために、手作業でいくつもの手順を踏んで行うよりも、コマンド一発で自動的にリリースがすることができれば、間違いも減りますし、本来の作業であるプログラミングや設計、テストに集中できます。

また、マネジメントの立場から見ても「構成管理」の手法が社内で統一されていることでメリットがあります。たとえばプロジェクトにメンバーが追加されたとしても、普段慣れている手法で行えるので、手法の違いによるトラブルも減って、開発効率が高まることでしょう。

特定の人のPCにしかソースコードがない、特定の人しかビルドやリリースができない、古いプロジェクトのソースがビルドできない、という危険な状態を避ける意味でも有効なのではないでしょうか。

余談ですが、うまくいっていないプロジェクトでは往々にして「バージョン管理」「ビルド」「リリース」などが、おざなりにされていることが多いように感じます。これは「バージョン管理」「ビルド」「リリース」の作業が面倒だと、結果的にリリースの回数が減ったり、手順を省いて作業を行いがちになり、開発プロセスに対して悪い影響を与えるからかもしれません。

ぜひ「構成管理」のポイントを押さえて、「うまくいく開発」を目指しましょう。